ドローン国家資格「一等」と「二等」の違い|できる飛行・試験・講習時間で比較
この記事は公開時点(2026-09-30)の情報です。制度のくわしい内容は、国土交通省の案内でも確かめてください。
この記事の要点
- ほとんどの人は二等で足りる。一等が要るのは、第三者の上空を立入管理なしで飛ばす仕事
- 総額の中央値(初学者)は二等が約29万円、一等が約78万円
- 迷ったら二等を取り、必要になったら一等を経験者として足せる
ドローンの国家資格は、正式には「無人航空機操縦者技能証明」といいます。一等と二等の2種類があって、名前は似ていても、飛ばせる範囲も、試験の重さも、かかる時間とお金もかなり違います。
先に結論を言うと、ほとんどの人は二等で足ります。一等が要るのは、第三者の上空を立入管理なしで飛ばす仕事をする人です。
比べるとこうなる
| 二等無人航空機操縦士 | 一等無人航空機操縦士 | |
|---|---|---|
| できる飛行 | カテゴリーⅡ飛行(DID上空・夜間・目視外・人や物から30m未満など)の一部を、第二種機体認証の機体なら飛行ごとの許可・承認なしでできる | 二等の範囲に加えて、カテゴリーⅢ飛行(第三者の上空を立入管理措置なしで飛ばす)を、第一種機体認証の機体+国土交通省の許可・承認でできる |
| 主な使い道 | 空撮・点検・測量・農薬散布など、仕事の大半 | 市街地での物流、イベントや道路の上空など、人の上を飛ぶ仕事 |
| 学科試験(CBT) | 50問・30分 | 70問・75分 |
| 講習の最低時間(初学者・マルチローター基本) | 学科10時間+実地10時間 | 学科18時間+実地50時間 |
| 講習の最低時間(経験者・マルチローター基本) | 学科4時間+実地2時間 | 学科9時間+実地10時間 |
| 取るまでの日数の目安 | 講習は最短2〜4日ほど | 講習だけで1〜2週間以上 |
| 総額の中央値(初学者・当サイト調査) | 約29万円(最安 約12万円) | 約78万円(二等の約2.7倍) |
| 有効期間 | 3年(更新講習が必要) | 3年(更新講習が必要) |
| 受験資格 | 16歳以上 | 16歳以上 |
講習時間は国土交通省が決めた最低時間で、これより長くしているスクールもあります。費用の分布は第4回「取得にかかる金額」にまとめました。
「できる飛行」をもう少しくわしく
ドローンの飛行は、危なさに応じてカテゴリーⅠ・Ⅱ・Ⅲに分かれています。
- カテゴリーⅠ:特定飛行に当たらない飛行。資格がなくても飛ばせます
- カテゴリーⅡ:DID(人口集中地区)の上空、夜間、目視外、人や物から30m未満、などの特定飛行。これまでは毎回許可・承認を取る必要がありましたが、二等以上の技能証明と機体認証があれば、一部は許可・承認なしで飛ばせます
- カテゴリーⅢ:第三者の上空を、立入管理措置(エリアを区切って人を入れない対策)なしで飛ばす飛行。一等の技能証明、第一種機体認証、許可・承認の3つがそろわないとできません
二等は「毎回申請していた飛行を、申請なしでできるようにする資格」。一等は「二等では飛ばせない場所を飛ばせるようにする資格」です。
どちらを持っていても、空港の周辺・高さ150m以上・催し場所の上空・危険物の輸送・物を落とす飛行は、今までどおり飛ばすたびに許可・承認が要ります。
「限定」にも気をつける
技能証明には、車の免許の「AT限定」のような限定があります。
| 限定の種類 | 内容 |
|---|---|
| 機体の種類 | 回転翼航空機(マルチローター)/回転翼航空機(ヘリコプター)/飛行機。講習と試験を受けた種類だけ |
| 最大離陸重量25kg未満限定 | 25kg以上の機体を飛ばすには限定変更が必要 |
| 目視内限定 | 目視外飛行をするには限定変更(目視外)が必要 |
| 昼間限定 | 夜間飛行をするには限定変更(夜間)が必要 |
「基本」に「目視外」「夜間」の限定変更をセットにしたコースを用意しているスクールが多いです。当サイトの比較表では、「限定変更(登録簿)」の行で、そのスクールが登録簿上どの限定変更に対応しているかが分かります。
どちらを選ぶか
空撮・点検・測量・農業など、第三者の上空を飛ばない仕事が中心の人や、趣味で飛ばす人は、まず二等で十分です。
一等を考えたいのは、物流やインフラ点検で人の上を飛ぶ仕事が決まっている人や、会社から一等を求められている人です。
迷っているなら、先に二等を取っておいて、必要になったら一等を「経験者」として追加する手があります。一等の経験者コースは、実地の時間が初学者の約5分の1で済みます。
次回は、取る手順と期間をまとめます。
出典: 学科試験は指定試験機関「学科試験」、受験資格は同「受験資格」、講習時間は国土交通省「登録講習機関の教育の内容の基準等を定める告示」(2025年12月9日改正・統合版)。総額は当サイトの料金データ(2026年9月29日集計)
制度の内容は、国土交通省「無人航空機操縦者技能証明等」の案内で確認してください。




